KINDRED SPIRITS

同志たち

LINEグループ「海」の結成

日本の河川浄化を目指して、新たに「あ・うんの郷」のホームページを開設したところ、早速、問い合わせが入ってきました。自然農や有機農業が盛んな徳島県で、新たな拠点を探しているというTさんからです。
健康にも環境にもプラスに働く食糧作りや、自然の再生活動をライフワークにしていきたいと思っています。また、吉野川河口の海苔採取量が激減しています。エナジー水で何かできないかと考えています。
Tさん
徳島県
そこで先ず、徳島の隣である高知県に昨年移住し、「あ・うん単独槽」を設置された橋本さんをご紹介しました。
私は神奈川県から昨年、高知県香南市に移住しました。広い庭で化学肥料、農薬を使わずに野菜や果物を作りたい。それであ・うんの複合酵素に注目して、設置しました。今年の春からの野菜作りが楽しみです。 美味しい野菜を作り、近所の農家の皆さんに食べてもらって発酵酵素の素晴らしさを広めていければと考えています。73歳ですが、体は関節系がガタガタですが、これからの人生、今が一番若いと思っています。
橋本さん
高知県

Tさんは早速、橋本さんのところへ見学に行かれました。

橋本さんに見せて頂いたあうんユニットは腐敗臭がなく、固形物もほぼなく、汲み取りが必要ないレベルに分解が進んでいたように思います。
Tさん
徳島県
また続けて、長崎県島原市の有明海で海苔養殖を営むしのさんをご紹介しました。しのさんは2008年頃からエナジー水を使い初め、さらに2022年には「あ・うんユニット」も導入されています。その結果、周囲では壊滅的とも言われる有明海苔の育成が、なんとか続けられている状況にあります。  
諫早湾干拓事業において造られた調整池からの排水で、海の生態系が崩壊してしまい、 魚介類は消滅状態、海苔に関しても赤潮の常態化により色落ちがするので、良質の海苔が 採れにくくなっています。反面、うちの海域では富栄養化した排水の窒素過多による生育障害で、海苔を育てることが非常に難しくはなっていますが、平成20年頃柳田さんのエナジー水を知り、事情を理解していただいて分けてもらい、海苔を育てる過程での使用で、なんとか今日まで生き残ることができてきました。現在は、3年前にあうんユニットを設置し、それにより 出来上がったエナジー水を、海苔養殖に活用しております。
しのさん
長崎県
こうして異なる地域で、同じ目的を持つ者同士が繋がり、河川と海の浄化についての真剣なやり取りが始まりました。LINEグループ「海」の結成です。
 
そこで先ず、言葉の問題にぶつかりました。 

「富栄養化」と「貧栄養化」という言葉に隠された実態

きっかけは、Tさんからの以下の質問でした。

海苔は高タンパク食材、つまり生育には窒素が必要であり、ある程度の河川の汚れ(窒素など)が海苔の生育に寄与してきたのだと理解しています。河川の汚れを正当化したいわけでなく、河川の浄化(貧栄養化)と海苔の養殖は両立していけるのか、というのが私が抱いた疑問です。
それが検証できれば、エナジー水を使って吉野川の浄化活動を加速させても、河口で海苔養殖をされている方たちに悪い影響が出ないと推測されるので、遠慮なく河川浄化を進めていきたい、という考えです。
あうんユニットやエナジー水については、高嶋先生の本やあうんの会のYouTubeはすべて拝見しましたが、理解が追いつかない点があるので教えて頂きたいです。 一般の下水処理では窒素やリンの濃度を基準値以下に下げる処理をしますが、あうんユニットを通す前と後で何がどう変わるのでしょうか。汚染物質(ピーファスなど)はゼロになり、腐敗菌が駆逐され、窒素やリンはその河川の生態系に最適な濃度(富でも貧でもなく)に自動調整されるイメージでしょうか。 極論、エナジー水もしくはその希釈液(つまり窒素を含まない液体)で海苔が生育できるのだろうか、という純粋な好奇心です。
Tさん
徳島県
先程、しのさんのメッセージにも登場した「富栄養化」ですが、これは水中に窒素やリンなどの栄養塩類が過剰に増えてしまい、プランクトンの異常繁殖や、その結果として、魚のえらにプランクトンが詰まったり、プランクトンの毒による魚の大量死を引き起こす現象です。
 

一方で貧栄養化は、窒素やリンなどの栄養塩類が不足し、海藻や魚が育たなくなる状態を一般には指しています。

Tさんは「有明の富栄養化と比べて、吉野川のスジアオノリの採取量が減っている原因は富栄養化でなく、貧栄養化と伺っています。これから養殖現場にも入って詳細聞いていく予定です。」との事でした。

どちらも「栄養」という言葉が含まれていますが、実はここが大きな落とし穴なのです。なぜなら言葉のマジックであって、どちらもその実態は人間による「汚染」の結果だからです。
 

これは以前、豚のコレラ感染が広がり、ニュースで騒がれていた時にも同じことが起こりました。突然、豚コレラは豚熱に改悪改名されたのです。合併浄化槽も、国の活性汚泥法も然り。臭いや汚水、また汚泥が出ても、薬品処理や川への垂れ流し、埋め立て等で誤魔化しているだけではありませんか。このような言葉の印象操作に氣付かなければ、環境問題の解決の一歩さえ踏み出せません。

国や行政は、ワクチンや食品添加物、農薬、水道水への高濃度殺菌毒物などを規制するどころか、むしろ言葉巧みに、さも必要なものとして騙し、緩和や推進をしてきました。もはや国民に対して殺人行為を行っていると言っても過言ではありません。

本来、山から海に至るまで、自然の状態なら、山からは落ち葉が微生物に分解されて、本当の豊かな栄養素の溶けた水が流れて、上流から清流を好む川魚などが多種類生息します。それが下流に至るまで、あらゆる生き物が生息します。人間が悪さをしなければ、本来、その川には汚染など起こり得ないのです。

Tさんの志は素晴らしいですが、従来の「常識」の中で問題を解決しようとしても、その努力は水泡に帰すことでしょう。Tさんに限らず、これからは真実を見極める目も併せ持たなければ、本氣で日本のふるさとを取り戻すような環境人道支援はできません。それには、もう一つ大事な事があります。それは頭での理解と同時に、実践することです。

以下にしのさんが、有明海の悲惨な現状と、その中でも諦めずに海苔養殖を続けられている様子を綴ってくれました。

赤潮発生のメカニズムは富栄養化でありながら、有明海の富栄養化の供給元が諫早湾干拓調整池からの排水であるにも関わらず、水産試験場関係他、ちゃんとした機関及びメディアは一切、富栄養化の文言は出さないでいます。
他にも、日本の沿岸域での生態系崩壊の大きな一因は、下水道処理水や各家庭からの合併浄化槽の排水で、これには放水時に塩素処理をして出されますし、処理システムについては詳しくありませんが、有機窒素が分解されずに出されていることで、干潟の生態系もダメになってしまったのではないかと考えています。うちは小型合併浄化槽も設置しておりますが、「あ・うんユニット」がタンク内を覗いても不快な匂いは感じませんが、国の基準の浄化槽の方は、マンホールの蓋が閉まってアオコは消えて、ただの濁り水の様になっていました。アオコを薬剤処理されたものと思っています。現在、有明海では、4、5年前から、それまでとは比較にならない様な極端な漁業不振に陥っており、海苔養殖についても、有明海の各生産地で3期連続での色落ちによる大凶作になっています。
海苔も含めた極端な漁業不振の原因については、行政やメディアなどは気候変動によるものなどをしきりに主張していますが、裏で調整池のアオコなどによる水質悪化を、見た目だけでもよく見せようとしての薬剤処理といった禁じ手まで使って誤魔化していることは、世の中のあり方として非常に危うい状況だと危惧しております。
この様な行為について、自分なりに何を使っているのかを調べていますが、どうも消石灰などの強アルカリでの処理かなと思っています。強アルカリは強毒よりジワリと効くようで、殺菌作用を利用しているのではないかと思っています。
消石灰水については、ツルらの越冬地で有名な鹿児島県出水市でも海苔養殖が行われているのですが、そこの生産者の方と情報交換した際、現地の田んぼにツルが飛来してくるようになれば、周辺道路に毎日、消石灰水をジャージャー撒かれるので、そこの沖では海苔が採れなくなるというお話を聞き、今、有明海で起きている、窒素が減っても生育障害が出る現象が、アルカリ障害かなと思っています。昔も時期がくれば海苔は色落ちしていましたが、その頃は色が黄色く変わっても、 海苔はメチャメチャ伸びていましたから、現在の現象は非常にヤバい現象かなと思っています。
諫早湾干拓調整池の富栄養化により、アオコ、ユスリカの大発生していますが、その富栄養化の原因については、平成20年、干拓で出来上がった農地での営農から極端に酷くなっているということです。うちの海域でもその3年後から極端に海苔の生育が悪くなり、当初その生育障害の原因についてがわからなかったのですが(水試関係は今でもわかって いないかわからないふりをしているのか不明です。)
干拓農地で何が行われているのかを確認に行ったところ、農作物栽培とは別に、干拓地の先端部の人目のつかない区域は、牧草栽培が行われている中に、その一角には半熟の様な堆肥の山積みがありました。その堆肥からは黒い液体が流れ出ており、その成分が調整池に入ることで、より富栄養化を助長しているものと思った次第でした。そのことを機会あるごとに指摘をしていたところ、昨年は置かなくなった様な状況で、一時的なものか、指示されて置かなくなったものかは分かりません。
平成9年4月に諫早湾が締め切られてから、赤潮発生始め様々な漁業被害がありましたが、それでも漁民は様々な工夫をしながら、なんとかかんとか生きながらえてきていたのですが、平成20年の営農開始から徐々に漁業不振が深刻になり、漁民もそれに合わせて消滅していきました。自身もエナジー水の活用と養殖スケジュールの見直しなどで、事業として成り立つ状況でしたが、現在の生育障害を感じる様になってから、その原因を確信するまでの3シーズンは、この先どうなるかというくらいの心境でした。薬剤処理につきましては、昨年農水省との面談の時に指摘しましたところ、相手側も一回だけしかできなかったのか、その後はそのための機材は片付けてしまっています。今後は、この様な薬剤処理などの禁じ手は絶対に使わせない様に牽制していくことが大事だと思っています。
しのさん
長崎県

しのさんがもし「常識」に囚われていたら、今のように海苔養殖をできていたか疑問です。大きな視点でものごとを考え、掘り下げたから、エナジー水にたどり着いたのです。

橋本さんも、Tさんにエナジー水を分けてくれるそうです。

Tさん、エナジー水は私のところにいらしてくれればいくらでも差し上げますよ。我が家の室内の植物はエナジー水で神奈川にいる時より元気に育っています。
橋本さん
高知県

さて、Tさんの実践はその後、どうなりますか…。

河川の浄化とその先へ...

このような真剣なやり取りを敢えてリアルタイムでお伝えすることで、一人でも多くの方に既存の「常識」から抜け出していただきたい。そして日本の海の現状を知っていただくと共に、このような問題を解決する術として、今後、各地の河川に「あ・うん単独槽」を設置していく流れを生み出したいと思っています。

「あ・うん単独槽」なら、河川の汚泥を複合発酵技術で浄化し、ひいては海をもきれいにしていく活動になります。ぜひ一人一人が関心を持って、行動に移していく時がきています。

2025年2月19日
柳田 繁吉